外国人介護士の受け入れ
高齢化が進む日本の介護業界における人手不足は、どのようにすれば解消できるのでしょか。様々な対策が講じられる中でも、外国人介護士の受け入れが注目されています。そして受け入れたあとの、外国人介護人材の育成が非常に重要なポイントにもなっています。国は外国人に対し、技能実習制度対象となる資格項目の中に「介護士」を追加するなど、人材確保への方策を進めています。現在施行されている東南アジアでの介護人材の育成状況を観察して、日本における介護業界の人材不足の足掛かりを探しているのです。
外国人介護人材に関する制度
外国人介護人材の育成に向けて、国が推進する制度があります。それは、経済連携協定(EPA)に基づく介護福祉士候補者の受け入れです。まず技能実習制度での介護実習生を、在留資格「介護士」として受け入れることです。
この制度は2017年度に大きな追加点や変更点があり、EPAに基づく介護福祉士候補者の受け入れに関して、対象施設の範囲が拡大しました。また、在留資格に「介護士」が追加されたことにより、日本で介護福祉士資格を取得した留学生が引き続き日本で介護業務に従事することが可能になったのです。
このように、様々な制度の改変により、介護職員の人手不足解消のための手段が取られています。将来的には、外国人介護人材の受け入れ増加が見込めるように、各方面から取り組みが進められている最中なのです。
受け入れメリット
介護職員の人手不足解消のために、外国人介護人材を一定数雇用するメリットはどこにあるのでしょうか。外国人介護人材の雇用メリットとして、若い人材が確保できるため在籍スタッフの活性化が見込める点です。日本ではなかなか獲得できない若い人材を得られることは、介護施設にとって期待がもてます。そして、多様な価値観の共有にも対応できる部分や、即戦力になる人材確保にもつながります。若くて体力のある人や、意欲のある人は介護業界には非常に重要です。日本人にはない価値観を、新たな考え方として介護の業界へ取り入れていくことも可能になります。
例えば、平均年齢の若いベトナムでは、介護職についても看護職員が業務を兼任して行なっています。しかし実際に若い人材が看護師になっても、ベトナムでは働く場が少ないのです。そのため、日本で介護職員としてのニーズがあり、注目されているのです。外国人として日本の文化や考えに慣れる苦労もあり、さらに異国で働くとなると一層の努力が必要になりますが、日本人職員にも良い刺激となり、双方にとって成長する機会となるでしょう。